放火及び失火の罪
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放火とはどこまでいくと放火になるの?
いつ既遂になるの?
判例では
「火が媒介物を離れて
目的物が独立に燃焼を継続する状態になったとき」
としています。
これを「独立燃焼説」といいます。
例
AはBの家に火をつけた。
Bが気付きあわてて消し止めたが、
天井板が30センチ四方焼けてしまった。
Aが火をつけるのにまず新聞紙に火をつけて
建物をもやしたとすると、
新聞紙が媒介物にあたり、
新聞の火がなくなっても
建物が独立して燃え始めたとき既遂になります。
もし、独立して燃焼をはじめてから
「まずい!」って思って
火を消し止めても既遂になります。
すぐ既遂になってしまうのは
それだけ危険な行為ということです。
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(現住建造物等放火)
第百八条 放火して、現に人が使用し又は現に人が中に存在する建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
(非現住建造物等放火)
第百九条 放火して、現に人が使用せず、かつ、現に人が中に存在しない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 人がいない自己所有の建造物を放火するときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
(建造物等以外放火)
第百十条 放火して、建造物物以外の物を焼損し、公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 建造物以外の自己所有物に放火したとき、公共で危険と感じたら、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(延焼)
第百十一条 自分の所有する建造物を燃やして、その火が自分以外の建造物を延焼させたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 建造物以外の自己所有物を放火し、他人の建造物以外の物を延焼させたときは、三年以下の懲役に処する。
(未遂罪)
第百十二条 放火未遂は、罰する。
(予備)
第百十三条 建造物を放火する目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除できる。
(消火妨害)
第百十四条 火災の際に、消火用の物を隠匿、損壊など消火を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
(差押え等に係る自己の物に関する特例)
第百十五条 自己所有の建造物や物品であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は保険に付したものを放火した場合、他人の物を焼損した者の例による。
(失火)
第百十六条 失火により、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を焼損した者は、五十万円以下の罰金に処する。
2 失火により、第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。
(激発物破裂)
第百十七条 火薬、ボイラーなど破裂させて、現に人が住んでいる建物(第百八条)又は他人の所有する人が住んでいない建物(第百九条)を損壊した者は、放火の例による。自分の保有する人が住んでいない建物(第百九条)又は自分の保有する物品(第百十条)を損壊し、公共の危険を生じさせた者も、同様とする。
2 前項の行為が過失によるときは、失火の例による。
(業務上失火等)
第百十七条の二 第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に処する。
(ガス漏出等及び同致死傷)
第百十八条 ガス、電気、蒸気を漏出、流出、遮断し、人の生命、身体、財産に危険を生じさせた者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
2 ガス、電気、蒸気で人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
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